「体を動かす仕事がしたい」「手に職をつけて働きたい」──そんな思いから、解体業の仕事に関心を持つ人は少なくありません。しかし実際には、「資格がないと始められないのでは?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。たしかに解体工事には、特定の重機を扱う場面や、法令で定められた手順が必要な場面もあります。ですが、はじめからすべての資格を持っている人などほとんどいません。大切なのは、どのような資格がどんな場面で必要とされるのかを知り、自分の目指す働き方と照らし合わせていくことです。この業界は経験と実力がものを言う世界ですが、だからこそ、着実にステップを踏めば未経験からでも成長していける余地があります。まずは、解体業界で必要とされる資格の種類と、その役割から確認していきましょう。
解体業で活躍するために必要な資格一覧と特徴
解体業において資格は、ただの肩書きではありません。作業の範囲や現場での役割を大きく左右する要素です。たとえば、重機を使って建物を取り壊すには「車両系建設機械運転技能講習」の修了が求められます。これはショベルカーなどを操作するために不可欠な資格で、多くの現場で基本とされています。さらに現場の統括や管理的立場に立つには「解体工事施工技士」や「1級・2級建築施工管理技士(解体工事区分)」などの国家資格が必要になります。これらは試験だけでなく実務経験が要件になるため、取得までにはある程度の時間がかかるのが実情です。
また、足場の組立て・解体作業に従事する場合は「足場の組立て等作業主任者」や「フルハーネス型安全帯使用作業特別教育」など、作業の安全を守るための講習や特別教育の修了が必須となることもあります。このように、解体業に必要な資格は多岐にわたりますが、すべてを最初から取得しておく必要はありません。多くの人が、まずは未経験から補助作業を経験し、働きながら段階的に資格を取得しています。自分の目指す働き方や現場のニーズに応じて、取得すべき資格を見極めていくことが大切です。
資格なしでもできる仕事とは?未経験者が始めやすいポジション
資格がない状態で解体業に飛び込むのは不安かもしれませんが、実は多くの現場が未経験者を受け入れています。なぜなら、解体工事は多くの工程で人手が必要とされるため、補助作業を中心に資格を持たない人でも活躍できる場が用意されているからです。たとえば、現場の清掃、資材や工具の運搬、廃材の分別、手作業での壁や床材の撤去などは、資格がなくても任されることが多い業務です。こうした作業を通して現場の流れを覚え、実際に働きながら必要な知識や感覚を身につけていくことができます。
もちろん、重機の操作や建物の構造にかかわる重要な作業は、一定の資格や経験を要します。しかしそれらを支える「地道な仕事」も現場には欠かせない存在であり、むしろ最初はこうした部分で着実に信頼を得ることが、キャリアの第一歩となるのです。また、近年では人手不足の影響から、未経験者を受け入れて育てる体制を整えている企業も増えてきています。研修制度や資格取得支援制度を設けている会社もあり、仕事をしながら徐々にスキルアップを図ることができる環境が広がりつつあります。
最初の一歩を踏み出すのに必要なのは、特別な資格ではありません。体力とやる気、そして素直に学ぶ姿勢があれば、現場はしっかりと応えてくれるはずです。
資格取得のステップと費用感──働きながら目指せるのか?
解体業で必要とされる資格は種類によって取得までの道のりが異なりますが、多くの人が働きながら段階的に取得しています。たとえば「車両系建設機械運転技能講習」は、講習時間が短く、学科と実技を合わせて3〜5日程度で修了できます。費用は5万円〜8万円ほどが相場で、講習を実施している教習所で随時受付しています。これにより、重機を扱う仕事にチャレンジする道が開かれます。
一方で、「解体工事施工技士」や「建築施工管理技士(解体区分)」は国家資格であり、ある程度の実務経験が要件となります。具体的には、学歴によって1〜5年の実務経験が必要です。試験の準備にはテキストや講習受講なども含め、費用は数万円から十数万円になることがあります。ただし、企業によっては「資格取得支援制度」を設けており、講習費や試験費用を一部または全額補助してくれるケースもあります。
また、現場作業に欠かせない「足場の組立て等作業主任者」「フルハーネス型安全帯使用作業特別教育」などは、1日〜2日の短期講習で取得でき、費用も比較的安価(1万〜2万円程度)です。これらは早い段階で取得しやすいため、まずはこうした講習から始め、少しずつステップアップしていくのが現実的です。
時間や費用の不安がある場合は、資格取得に力を入れている会社を選ぶことで、無理なく働きながら将来の可能性を広げることができます。
業界のプロが語る「資格がキャリアにどう影響するか」
資格はあくまで“道具”であり、持っているだけで現場で重宝されるわけではありません。ただし、適切な資格を取得していることは、確かな知識と安全への意識を持っている証として、業界内での信頼につながります。たとえば、同じような経験年数の作業員でも、「車両系建設機械」の講習を修了していれば、重機作業を任される可能性が高まり、それに応じた賃金や手当も期待できます。資格の有無は、業務の幅や責任の重さだけでなく、キャリアパスや給与水準にも直結するのが実際の現場です。
さらに、管理職を目指すうえで「解体工事施工技士」などの国家資格は不可欠です。この資格を取得していれば、現場責任者や施工管理者といった立場に就くことが可能となり、自身の判断で工程や人員を動かす立場にステップアップできます。実務経験の積み重ねと資格取得をうまく組み合わせることで、単なる作業員から“現場を動かす人”への転換が現実のものになります。
重要なのは、「いつ取得するか」よりも「どんな資格が自分の目指す方向に必要か」を見極めること。最初から全てを揃える必要はありません。目の前の仕事に真剣に取り組み、必要なタイミングで資格を取る。その繰り返しが、安定したキャリアを築く一番の近道です。
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解体業の現場では、最初から完璧な人などいません。資格がない状態で飛び込んでも、できる仕事はたくさんあります。むしろ、現場を知り、体で覚えながら必要な資格を一つずつ手に入れていく。その積み重ねこそが、着実で信頼されるキャリアに繋がっていくのです。
大切なのは、「自分には無理かもしれない」と思い込まずに、一歩踏み出してみること。体を動かして働きたい、手に職をつけたい、そう考えているなら、まずは現場に触れてみてください。未経験者でも歓迎している会社は多く、学びながら成長できる環境は確実に存在します。
焦らず、地に足のついた努力を重ねていけば、数年後には自分にしかできない仕事を任される存在になっているはずです。どこから始めるかではなく、どう続けていくかが未来を変える鍵になります。
少しでも気になることがあれば、お気軽にお問い合わせください。